くらみ里山留学とは
はじめに
私たちの国は、世界に先駆けて人口減少社会、少子高齢社会を営んでいます。特に地方都市の里山の地域にはその影響は大きく、持続可能な地域社会の暮らしを脅かしています。当地域でも小学校の統廃合問題、耕作放棄地や農業所得の長い低迷で担い手不足等、里山には厳しい実態が顕著に表れています。それを克服するには、難しい現実があり未だ解決方法は見つかりません。
しかし、100 年に一度の世界的パンデミックがもたらす感染症の恐怖は、同時に新しい社会へ変わりゆく兆しにも感じられます。また、DXに代表されるように、社会や家庭生活、教育や働き方の変化は必然です。そして人々の価値観にも変化が現れて、多様性は社会の基本の価値となります。
倉真地区まちづくり協議会は、静岡県の令和 3 年度ふじのくに関係人口創出・拡大モデル創出業務委託を、連携団体の「里山留学 in 静岡」と共に受託し、研究の緒につき実行委員会を組織し、地域内啓発ワークショップや短期体験会等を経てこの構想をつくりました。
格差や少子化社会を引きずりながらコロナ以後の新たな次世代へ移行する中では、子供たちを一人も取り残さない子育て支援及び青少年育成を、都市と山村が支えあって構築することが大切ではないでしょうか。里山地域の人材育成・地域関係人口創出のモデルとなるよう、この構想を具現化してまいります。
『くらみ里山留学』基本構想
構想の理念
地域の、そして国の宝である子供たち。子供たちを育む教育の方針や方法も各家庭で異なります。私たちは、一人ひとりの個性に対応できる多様な選択肢は、今後のひとづくりにおいても大切だと考えています。その教育の多様性を実現する支援の 1 つとして、里山で学べる環境を創出する「里山留学」は、留学される子供たち、地元の子供たち、双方に様々な体験と学び提供し、問題にも遭遇する中で、心も体も教養も大きく育つ可能性を感じます。
日本で山村留学が生まれて 50 年、これまで本県が必要としなかった施策ではあるものの、「ここで生きる」を選んできた地域住民が、子供たちへ伝える「ここでの生き方」は「五感を育む人づくり」と考え、学校でも家庭でもそしてスマホやゲームでも体験できない何かを贈り物にしたいと考えています。
一方、私たちにとって留学支援は、里山や暮らしという生活文化を資源としたまちづくりであり、教育分野を介して異文化との交流を通じて自身の生き方やまちの在り様を見つめ直す機会となるはずです。
私たちは、「古くて新しい里山留学(山村留学)」を導入し、留学される子供たちにも、地域の子供たちにも、そしてそれを支援する地域住民にも、人にやさしい潤いのある人づくり・社会づくりとなるような関係交流を目指します。
くらみ里山留学の目的
くらみの自然やありのままの暮らしの中で、学びの支援や里山空間を提供することを通じて、留学・地域の双方の子供たちの青少年育成に協力し、更には交流・関係人口の増加と、地域活性化に繋がる活動をして、地域社会の豊かさを実現することを目的とします。
くらみ里山留学の方針
『ありのままの「くらみの里山」で、学び、育ちましょう♪ 留学生もそして私たちも』
- 留学される小学生と地元の小学生の学びと育ちを応援します。
- 地域の魅力を活かし、温かな心の通う交流を行うことにより、くらみのファンを育みます。
- 小学校の廃校阻止という方向は考えず、地域愛に根差した広域のまちづくりに貢献します。
- 青少年の留学における専門性を絶えず学び、研究を重ねる努力をします。
- 絶えず将来像を模索しつつ、計画性を持って出来ることから始めていきます。
令和4年3月19日 「くらみ里山留学」実行委員会にて承認